2009年03月24日

ついに明らかになった官民合同ファンドの内容(3月23日)

ついに明らかになった官民合同ファンドの具体的内容
=株式投資環境は一層明るくなった=

3月23日

森  崇


米財務省は23日、金融危機対策で銀行などから不良資産を買い取る「官民合同ファンド」の具体的内容を発表した。

   (政策の骨子)
★買い取りのための官民投資プログラムは、昨年導入された7000億ドル規模の問題資産購入計画(TARP)から750億−1000億ドルの資金を使用。政府に5000億の「買い取り権限」を付与する。
★連邦預金保険公社(FDIC)による債務保証や、連邦準備制度理事会(FRB)の低利融資を加え、買い取り規模は当初は5000億ドルを目標にし、最終的には1兆ドルをめざす計画。
★不良資産買い取り計画は約8%が民間部門から拠出される見通しで、明らかに政府が大きな役割を担うことになる(ローマー大統領経済諮問委員会(CEA)委員長発言)。
★プログラムを開始するための議会承認は不要である。

   (買取対象)
買い取るのは金融機関の不良資産。

   (不良資産買取に参加する対象)
保険会社や年金基金、さらには個人投資家にも参加を呼びかけるが、不良資産を買い取る資産運用会社については、不良資産購入の実績が明らかな企業を最大5社選出する。

   (民間参加を促す為の甘味剤)
★買い取り資金の大部分を財務省やFDIC、FRBが融資や債務保証などで実質的に負担する。
★計画への参加企業は議会が定める管理職給与規制の対象から外れる。保険大手アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)で問題になった金融機関の高額ボーナス等の規制はかけない。

   (買取方法)
財務省と民間投資会社が共同で対等出資する「官民投資基金」を複数発足させる。複数の基金を競争入札で買い取りに参加させ、不良債権処理を加速する。5月までに民間の資産運用会社が選出された後、すぐに資産買い取りが始まる見込み(大統領経済諮問委員会(CEA)のグールスビー委員発言)。

   (政策に対する疑問点)
@この計画は民間投資家の参加に依存しているため、機能するかどうかがはっきりするのに時間がかかる可能性がある。
A米金融機関が抱える不良資産は、総額で約4兆ドルに上るという試算もある。1兆ドルで十分かの疑義が残る。
B投資家が損失を被った場合、何らかの保証があるのか、あるとすればどのような保証かといった疑問も残る。

   (政策に対し評価できる点)
@政策の方向性は正しく、金融システムの問題解決に向けた積極的な対策であり大きな意義がある。
A買取方法も妥当性が高い。銀行が漸進的に不良資産をバランスシートから切り離すのを期待すると日本の例のように時間がかかる。また政府が不良資産を直接買い取ると民間に転売する手間がかかったり、買取価格設定に困難が生じる可能性が出る。

   (日本の例)
★日本は97年11月に山一証券が破綻し、金融不安が深刻化。
★政府は98年3月、大手21行に1.8兆円の公的資金を投入した。
★不良債権の実態把握が不十分だったことから、98年6月に金融監督庁(現金融庁)が大手行の資産を検査し、99年に15行に7.5兆円の公的資金を追加投入。
★01〜02年にはより厳格な特別検査を実施し、不良債権半減を促す計画を策定。
★03年のりそなホールディングスへの公的資金投入を経てようやく安定に向かった。

B民間からの参加を促す甘味料が効果的。債券ファンド大手、PIMCOの共同投資責任者、ビル・グロス氏は23日、「政府が提案した中で初めての、当事者全員に利益をもたらす政策だ」と、政府主導の不良資産買い取り計画に参加する方針を明らかにした。また、資産運用大手ブラックロックも参加する意向を表明。

株式市場へのインパクト
金融システムの問題解決に向けた抜本的な対策であり大きな意義がある。この計画により、投資家の信頼感が高まり、リスク許容度が増した。それが今日の株式相場急騰となって表れている。ダウ指数は採用30銘柄が全て上昇した。

不良資産の買い取り価格設定などのハードルも残っているが、計画が具体的に動き出せばもう一段リスク回避姿勢が緩和されるだろう。

今回の相場反転のきっかけとなったのが、金融機関好業績見通しである。米国株式市場の本格的な反応については、米金融機関の1─3月期の決算などをみてからになるのではないか。特にゴールドマン・サックスやモルガン・スタンレーは銀行持株会社に改編したことにより、決算月が他の銀行同様12月になった。その意味で、決算の集中する4月20日近辺が重要になろう。


=以上=
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2009年03月19日

次の一手はTALF統合の官民合同ファンド

株高に向けFRBの援護射撃が始まった
=次の一手はTALF統合の官民合同ファンド=

3月18日

森  崇


最近発表された経済統計はそれほど悪くない。2月の住宅着工・許可件数は予想外に増加した。先週発表された小売売上高統計も意外な強さを示した。

このまま改善を続ければ、企業の多くは年初に向け在庫を削減した。消費の回復傾向が続けば、メーカーは生産拡大が必要になるだろう。

   (小売と住宅建設の反発力が著しい)
S&P小売指数は17日に3%高となり、3月6日の安値から18%上昇。ダウ住宅建設指数は同期間中に25%上昇した。これは、米国経済が最悪期を脱しつつあることを示唆している。なぜなら、これらのセクターがこれまで金融危機で最もダメージを被っていたからだ。

17日、シティ・グループのチーフUSエクイティ・ストラテジスト、トビアス・レブコビッチ氏が、17ヶ月に及んだ米国株の下落周期は終わったか、終わりに近いとコメントしている。

   (レブコビッチ氏コメント要旨)
S&P500指数は、2007年10月高値から今年3月9日の底値まで57%下落している。これは、29年大恐慌時の86%に次ぐ下落率であった。相場は底値から12%反発した。底打ちの判断は、パニック売りの存在が重要になるが、3月11日に終了した1週間で、株式ファンド(ETFも含め)からの資金純流出は84億ドルと記録的な額に達した(AMGデータによる)。また、個人投資家の多くは、もう持ち株を全て売却したいとの悲観にくれていた。これらは、底打ちを示唆する伝統的サインである。S&P500指数は年末までに1,000をつけると見る。

さて、経済情勢の改善を示すこうした兆候が、本格的な景気回復につながるかどうかは、今後の政策対応次第だ。

その意味で、本日FOMC声明の意義は大きい。

   (FOMCの声明のポイント)
★長期国債を今後6カ月間にわたり最大3000億ドル購入する。
★住宅ローン担保証券(MBS)の購入枠を7500億ドル引き上げ、年内の購入規模を最大1兆2500億ドルとする。
★政府機関債の購入枠を1000億ドル引き上げ、年内の購入規模を最大2000億ドルとする。
★消費者、中小企業向け債権の証券化市場の支援措置(TALF)で担保条件を緩和し金融資産も担保として認める見通し。

FF金利の誘導目標を0−0.25%の範囲に据え置くとともに、当面は異例の超低金利が妥当となる公算が大きいとコメントしている。

サプライズは、長期国債の買い取りである。現実的な観点から、今回、国債購入が決定される可能性は非常に低いと予想されていた。そもそも国債買い取りは、デフレ圧力の高い時期に実施される。流動性を供給することの他に、FRBが国債を購入することにより、金融機関が保有する国債と言うリスク資産が減少することになる。この結果として、貸出しや投資等の増加が期待されるわけである。いわゆるポートフォリオ・リバランス効果を狙うわけである。典型的な量的緩和政策
である。今日は、この声明のおかげで10年国債の利回りが1962年以来で最大の下げを演じた。意表をつくFRBによる国債買い取り発表により、長期金利が大幅に下げ始めたのだ。10年国債の利回りは、住宅ローンや自動車ローン金利の基準となり、極めて重要な役割を演じる。

さて、これからの最大の問題は、銀行のバランスシートからどのように不良債権を取り除くかという点だ。バーナンキFRB議長も、金融セクターの安定化が景気回復の前提との認識を繰り返し示している。

こんな中、オバマ政権はターム物資産担保証券ローン制度(TALF)の購入対象に、銀行が保有する問題資産を加えることを検討しているもよう。また、米当局は消費者ローン促進を目的としたFRBのTALFと、財務省が計画している官民合同投資ファンドの統合や、米連邦預金保険公社(FDIC)の役割拡大も検討していると言う。

シティ・グループ他、大手銀行の好業績見通しから火がついた今回の反発相場だが、政策がなければ持続しない。その意味で、官民合同投資ファンド構想は極めて重要度が高い。迅速な実現を期待したい。


=以上=
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2009年02月24日

本日の米国株相場について 2/23

本日の米国株相場について

2月23日

森  崇

S&P500指数とダウ指数は1997年以来の安値をつけた。

続落の背景
1.金融安定化についての具体策が未だ発表されていない。
財務省、連邦預金保険公社(FDIC)などと米連邦準備制度理事会(FRB)は23日、断固として金融システムを支えるとする緊急声明を連名で発表した。これは為替市場でドルの支援材料となったが、あくまで応急措置的リップ・サービスであり、待たれている金融安定化に関する具体策ではない。ここから失望売りが出た。

2.ダウ指数がITバブル崩壊後の最安値7,197(2002年10月9日のザラ場の安値)を下回った。テクニカルな支持線が6,000ドルまでないことから、投機筋から売りを招いた。

3.個別に悪材料が広範に出た。
@鉄鋼株に悪材料。
アルセロール・ミタル(MT)
★UBSが同社株の投資判断を“買い”から“中立”に引き下げた。世界の鉄鋼生産は急速に増加し過ぎたと言う。これを受け、ヌーコアなど他の鉄鋼株も安い。
★EU規制当局から、鉄筋コンクリート用の鉄鋼に関して、価格談合があったとして、同社の子会社が罰金支払いに直面していると言う。

A医療保険株に悪材料。
ヒューマナ(HUM)
★医療保険全米2位のヒューマナがネガティブ・コメント。2010年のメディケア・アドバンテージ・プログラム用暫定料金は、もし提案に変更がなければ、保険会社の保険料にも、加入者ベネフィットにも明らかにネガティブに作用するとコメントした。その他健康保険会社株も急落。UNH、AET、CVH、WLP、HSなどが急落した。

B運用会社に悪材料。
ジャナス・キャピタル(JNS)
★投資顧問会社の信用格付けがS&Pによって引き下げられた。BB+へと、ジャンク債レベルまで下げられた。

Cハイテク株に悪材料。
モルガンスタンレーが、顧客向けに、ハイテク株と素材株をアンダー・ウェイトするように推奨した。世界景気は引き続き悪化していると言う。直近の上昇レベルでは売りを推奨。単なるバリュエーションが適正だけの理由では、株は上がらないとしている。収益モメンタムが依然ネガティブだと言う。

Dアメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)株に悪材料。
AIGは、米政府に追加支援を求めて交渉している。CNBCは、AIGが最大600億ドルの損失を発表する可能性があると述べた。また、同社が連邦破産法の適用申請の可能性についても検討していると伝えたが、それが実現する見込みはほとんどないと指摘。


私見
米国株はテクニカルな支持線を下回った。当面下落圧力が続くだろう。ゼネラル・モーターズ(GM)とクライスラーに対し、米政府が破綻処理をしたうえで再建を目指す手法の具体的な検討に入ったとWSJ紙が報じた。両社の破綻処理には少なくとも400億ドルの費用が必要だという。オバマ政権は、米連邦破産法11条で両社を破綻処理することを選択肢として真剣に検討しており、JPモルガンなど大口債権者と協議を進めていると言う。破綻処理後に金融機関に再建資金を出資させ、それを政府が保証する形を取る。今日のところは、自動車株はしっかりしている。

フォードと全米自動車労組(UAW)が、フォードの退職者を対象とした任意従業員福利厚生基金(VEBA)の契約変更で暫定合意したことが背景である。しかし、破綻手続きを取った場合の景気への影響を相場は懸念する筈である。このように、市場にはかなり悪材料が集中しているが、ポジティブ面もある。米銀行監督局は23日、25日から各銀行に対する負荷テストを実施するとの共同声明を発表した。負荷テストの結果を受け、公的資金の注入を決定する。保有する転換権付優先株を普通株に転換する手法を取る。ガイトナー米財務長官は今週、国内大手銀に対する負荷テストの詳細を発表する。テストの結果、どの銀行にどの程度の資本余剰を求めるかを決めるという。保有する同銀の優先株を普通株に転換すれば、銀行国有化に向かうことになる。銀行危機への解決策として短期的には政府による銀行接収が回避不可能かもしれない。これが少なくとも金融セクターの安定化に役立つだろう。また、金融安定化に向けた具体策の提示も待たれるところだ。


=以上=
posted by mori at 09:32| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年02月18日

本日の米国株安と当面の見通し 2/18 =S&P500指数が昨年11月以来の800割れ=

本日の米国株安と当面の見通し
=S&P500指数が昨年11月以来の800割れ=

2月17日

森  崇


1.米国プレジデンツデー(16日)の休場も含め、海外株が安かった。
@日本の2008年10−12月期実質国内総生産(GDP)が大幅に落ち込んだことを受け、景気不安が再浮上した。また、中川財務相兼金融担当相辞任も麻生政権に打撃と受け止められ、相場にとっては懸念要因となった。

Aムーディーズは17日公表した欧州新興国(特に東欧)の銀行セクターに関する特別報告書のなかで、景気後退が他の地域より深刻化する恐れがあるため、同地域の銀行、および同地域に子会社を持つ西欧の銀行の財務力格付けが圧力にさらされていると警告した。銀行株では、スウェーデンのスウェドバンクとイタリアのウニクレディトが急落。両行は、東欧で小会社を保有している。一方、ドルは大半の主要通貨に対して上昇。株価の下落を受けて逃避先としての需要が強まった。ポーランド・ズロチは対ユーロ最安値付近まで下落。同国の副首相がズロチの下落は危険と発言した。これは、米国の銀行株安要因ともなった。
   
B独自動車メーカーのダイムラーが、2008年通期利益が予想を下回ったことを嫌気され急落した。これが他の市場にも悪影響を及ぼした。

2.GM、クライスラー問題に注目が集まる。
ゼネラル・モーターズとクライスラーが17日、政府支援の継続へ向け経営再建計画を提出する期限を迎える。難航が続いたが、16日になって債権者や全米自動車労組(UAW)との歩み寄りも見られ、債務の削減策などで一定の進展があったとされる。しかし、提出期限までに合意できるかどうか、流動的との見方もあるため、これを懸念した売りが出た。

3.マドフに次いで、新たな大規模詐欺容疑が生じた。
SECは17日、米投資会社スタンフォード・ファイナンシャル・グループのR・アレン・スタンフォード会長が傘下のスタンフォード・インターナショナル銀行を通じ、80億ドル相当の譲渡性預金証書(CD)を販売したことについて、大規模かつ、現在もまだ継続中の詐欺行為を働いたとして提訴した。SECはダラス連邦地裁に資産の凍結と、投資家に資金を返還する管財人の任命を求めた。

4.景気指標の悪さが目立った。
@ニューヨーク連銀が17日に発表した2月の同地区の製造業景況指数はマイナス34.7(前月はマイナス22.2)と、予想(マイナス23.8)を上回る落ち込みだった。これは、2001年の統計開始以来で最低だった。6ヶ月後の見通しを示す期待指数はマイナス6.6(前月マイナス4)と、一段と悪化した。

A全米ホームビルダー協会(NAHB)とウェルズ・ファーゴが17日発表した2月の米住宅市場指数は9(前月は最低値8)と、予想(8)を若干上回った。一戸建て販売の現況指数は7(前月6)に上昇、購買見込み客足指数も11と、前月の8から上昇したものの、6ヶ月先の一戸建て住宅販売見通し指数は15(前月17)に低下し、過去最低値となった。


私見
金融安定化策に具体性が欠けるとのことから、株は先週から失望売りを浴びている。今日は上記の通り多くの弱材料を背景に売り込まれた。明らかに昨年11月20日の安値を意識した動きだ。短期的には、この安値を下回る可能性がある。

ただし、一方で、好材料も出ている。72兆円規模の米景気対策法が成立した。またオバマ政権は住宅対策で、住宅ローンの返済が困難な借り手を対象とした金利減免に公的資金を投入する一方、議会には住宅ローン条件変更策の拡充で承認を求める見通しであり、ガイトナー米財務長官は18日にこの計画を発表する意向であるとのニュースが報じられている。

相場は当局の動きを睨みながら、当面神経質な展開となりそうだが、自律反発も近そうだ。ただし、相場反転のためには、金融安定化策も含め、政策面での進展が何よりも必要だ。

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posted by mori at 10:01| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年02月11日

本日の米国株相場について 2/10

本日の米国株相場について

2月10日

森  崇


株急落の背景
ガイトナー財務長官が10日、金融安定化策を発表。ただし、以下のような評価がされた。これを受け、特に銀行株が急落。

★官民共同のファンド設定に関して、さまざまな仕組みを模索しており、市場関係者や国民から意見を得るつもりだ。この計画は最大1兆ドルを供与できるが、まずは5000億ドルから始め、状況に応じて拡大していくとしているが、具体性、透明性が欠けている。これで金融危機が救えるかとの疑義が生じた。

★新規融資を促進し、不良債権に取り組むためのプログラムに政府が最大2兆ドル(約180兆円)を拠出する方針を表明したが、そこまで金融システムが悪化しているのかとの認識が広がるとともに、懸念が増大した。

★何よりも、銀行のバランスシートから不良債権が削除されるバッドバンク設立が断念されたことから、このままシティ・グループやバンカメのように政府保証が増大する結果、国有化につながるとの懸念が高まった。これを受け、シティ(C)、バンカメ(BAC)株ともに20%を超す下げを演じており、他の銀行に比べ下落率が大きい。

★ノーベル経済学賞受賞者のジョゼフ・スティグリッツコロンビア大学教授は、米金融安定化策が成功する可能性は極めて低いとの見方を述べた。また@同対策が住宅差し押さえの増加を食い止められていないほか、金融機関の不良資産は誰が最終的な責任を持つのかが明確になっていない。A未払いの住宅ローン返済をめぐり条件などを再交渉する際に、金融機関は適切なインセンティブを受けていない。また政府はローン提供においてリスクを取り過ぎていると指摘している。


債券相場は急伸
市場参加者の間で米金融安定化策は内容不十分との観測が広がり、安全投資から国債に買いが入った。株急落で、質への逃避的買いも入った。


金価格が急騰
ニューヨーク金先物相場は大幅反発。米 政府の金融安定化策と景気対策がインフレ高進を引き起こすとの思惑から、ヘッジ需要の買いが入り、この1週間で最大の値上がりとなった。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物相場4月限は、前日比21.40ドル(2.4%)高の1オンス=914.20ドルで終了した。中心限月としては1月30日以来で最大の値上がりだった。


私見
アメリカン・エンタープライズ・インスチチュート・シンクタンクのヴィンセント・ラインハート氏は、グリースパンFRB元議長や、バーナンキ現議長とも仕事した経験を持つが、「今信用市場に必要なのは、ショックと機能回復をもたらす優れたキャンペーンだが、実際もたらされたのは、控えめなものだ」と語っている。
ゼロ金利時の対処法は、兎に角気違いみたいにお札を印刷し、全ての種類の金融商品を買い上げ、価格上昇を狙うことだ。しかし、これまでのところ、FRBは、信用リスクを取ることをためらっている。

元FED副議長で、プリンストン大学経済学部教授であるアラン・ブラインダー氏は、元気付けるサインも出ていると言う。FRBが、もっと証券市場に目を向けるようになってきたからだからだと指摘する。

とりあえず景気対策も上院で可決されており、悪いことばかりではない。今後株式相場は、より具体的かつ効果的な金融安定化にむけた運用を催促するフェーズに移るだろう。

今日で全てが決まったわけではない。逆だ。あまりにも抽象的すぎるのだ。ただし、だからと言って政策失敗を意味するものではない。今後の当局の運用能力を期待したい。


=以上=
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2009年01月29日

バッドバンク構想が相場を動かす

バッドバンク構想が相場を動かす

1月28日

森  崇


CNBCは27日、関係筋の話として、オバマ政権が、不良債権を金融機関から買い取るバッドバンク構想を来週発表する可能性があると報じた。

オバマ大統領の経済顧問を務めているローラ・タイソン氏も28日、ダボスの世界経済フォーラムのパネルディスカッションで、「次の自然なステップは極めて単純で、不良資産を切り離すことだ。バランスシートは大きく痛んでおり、異なるルールに基づいて銀行の資本を再編すれば、銀行は再び貸し出しできるようになる」と述べている。

   (バッドバンクの例)
★1984年にコンチネンタル・イリノイ銀行が倒産した際に、バッドバンクを設立してその不良資産を買い取った。
★貯蓄貸付組合(S&L)危機の処理のために1989年に設立された整理信託公社(RTC)も、バッドバンク。
★1991年にスウェーデンでも設立された。

   (TARPは効果が無かった)
ブッシュ政権時に、財務省がバッドバンク機能を有したが、効果が無かった。付け焼刃的に設けられたことや、公的資金注入後のチェック体制が極めてあいまいだったから。


1月26日付WSJ紙は以下の通り報じている。
★米政府が昨年10月に制定したTARPに基づいて支出した公的資金約2000億ドルの大半は、大手銀13行が受け取った。
★最近四半期決算を発表した米銀大手を分析したところ、財務省の金融安定化法に基づく不良資産救済プログラム(TARP)による公的資金の注入を受けた大手銀13行のうち10行で、2008年7-9月期末から10-12月期末の間に融資残高が総額約460億ドル(1.4%)減少した(13行の融資残高の総額は、7-9月期末時点の3兆3600億ドルから10-12月期末時点では3兆3100億ドルに減少)。
★融資残高が減少したのは、450億ドルをそれぞれ受け取ったバンク・オブ・アメリカ(BAC)やシティグループ(C)のほか、より小規模の地銀も含まれる。
★13行のうち融資残高が増加したのは、地銀のUSバンコープ(USB)、サントラスト銀行(STI)、BB&T(BBT)の3行だけだった。

   (現在の構想)
バッドバンクは、米連邦預金保険公社(FDIC)が運営する可能性がある。ベアーFDIC総裁は、FDICは専門的な能力を備え、FDIC保証債の発行で資金面でも救済策に寄与できると主張している。

以下がメリットとして考えられる。
@財務省が運営する場合、原資は国庫であり、資金負担増大はすなわち財政赤字化拡大を意味し、野放図的拡大は、ドル安、金利高を誘発する。しかし、FDICが運営する場合、独自に債券を発行して必要資金を調達できる。政府が保証すれば低金利で調達可能。FDICは専門的な能力を備え、モデル・プライシング・メカニズムを用い不良債権の値付けを行なえる。遂には、利益を出しての不良債権換金化期待も出てくる。従って幅広い投資家から資金を集められる。

A米政府の景気対策については、議会での議論に時間がかかり、効果が出てくるのは年後半になる見通しだが、金融市場の安定化策には即効性が期待できる。

BFDICが買い取った不良債権を換金化する過程で、ゴールドマン・サックスやモルガン・スタンレー等の投資銀行が活躍する場が提供される。本日の2社の株価の反発がこれを示している。

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=以上=
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2008年12月03日

日本と定義が違う米国のリセッション

日本と定義が違う米国のリセッション

12月2日

森  崇


全米経済研究所(NBER)は12月1日、米国が2007年12月にリセッション(景気後退)に入ったと発表。前回、米国がリセッションだったのは2001年3月から11月だった。

米国のリセッション判定は、全米経済研究所(NBER=National Bureau of Economic Research)が行う。同研究所は、1920年創立の非営利、無党派の民間研究組織で、アメリカ人のノーベル経済賞受賞者31人中16人が本研究所関係者である。

リセッションの定義は、重要な経済活動の衰退が経済全体に広がり、これが少なくとも数ヶ月以上続く。通常の場合、実質経済成長率、実質所得、雇用、鉱工業生産、卸・小売売上高に影響が見られる状態とされている。

日本の場合リセッションの定義は、実質国内総生産が2四半期以上連続して対前期比で減少した場合である。

NBER委員会のメンバーで、ハーバード大学教授のジェフリー・フランケル氏は、恐らく深刻で長いリセッションになるだろう。戦後最悪のリセッションになる可能性があるとコメントしている。


=以上=
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2008年12月01日

ブラックフライデー(感謝祭の翌日の金曜日)の小売売上げ動向

ブラックフライデー(感謝祭の翌日の金曜日)の小売売上げ動向

11月30日

森   崇

3日間の感謝祭の週末は、クリスマス商戦の総売上高の10%を占める。景気悪化の深刻度が心配される今年はその重要性が増している。


(小売店の状況)
★ディスカウント店Kマート等の小売店は、感謝祭当日も営業。一方、日付が変わりブラックフライデー当日となった28日の真夜中からセールスを開始する小売店もあった。

★米オンライン小売大手のアマゾン・ドット・コムでは、アップルの「iPod touch(アイポッドタッチ)」がブラックフライデーの午前中にエレクトロニクス部門で最も売れた商品だった。


(消費者のインタビュー結果)
★多くの消費者は、この先数週間でさらに割引率が高くなるだろうとみており、クリスマス直前まで買い控えする可能性もある。


(事故、事件も)
★ニューヨークのロングアイランドではウォルマート店舗の入り口で、殺到する買い物客で34歳の男性が圧死、妊婦1人を含む4人が病院に運ばれた。

★カリフォルニア州パームデザートの玩具販売大手トイザラスの店舗では発砲事件が発生し、2人が死亡。現地警察が現場付近で容疑者数人を逮捕し、一帯を封鎖。


小売調査会社ShopperTrakの計測結果
★28日のブラックフライデーの売上高は前年同日比3%増の106億ドル(約1兆70億円)で、伸び率は昨年の8.3%増を下回った。

★今年のクリスマス商戦は感謝祭からクリスマスまでが27日と、昨年の32日と比べて短い。これが消費者を油断させ、今後利上げが鈍化する可能性もある。

★売上の伸び率を地域別で見ると、南部が3.4% 増、中西部は3.0% 増、西部は2.7% 増、北東部は2.6% 増だった。


Telsey Advisory Groupの調査結果
★初期の反応はポジディブかもしれない。近年にはなく、今年の販促は極めて力が入っている。

★クリスマス商戦の総売上高は横ばいかやや減少すると見ている。


=以上=
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2008年11月28日

米国株は1933年以来の急騰 11/27

米国株は1933年以来の急騰

11月27日

森  崇

先週21日(金)以来、26日(水)まで4日間でのS&P500指数の上昇率は1933年以来の高水準となった。その背景を見てみよう。


(背景)
1.オバマ次期大統領の経済チームの強力な布陣から、景気浮揚期待が高まった。
オバマ次期米大統領は26日、新しく設立する大統領経済回復諮問委員会の委員長にポール・ボルカー元FRB議長を起用すると発表した。オバマ氏はまた、シカゴ大学のオースタン・グールズビー教授(経済学)を同委員会の実務者のトップに起用することを明らかにした。

オバマ政権の主要メンバーが続々決定。期待される人材が多く、これも相場の支援材料となった。オバマ米次期大統領は24日、来年1月に発足する新政権の財務長官にティモシー・ガイトナー・ニューヨーク連銀総裁を起用すると発表した。ホワイトハウスの国家経済会議(NEC)の委員長にはローレンス・サマーズ元財務長官を指名。経済諮問委員会(CEA)委員長にはカリフォルニア大学バークレー校のクリスティーナ・ローマー教授、内政委員会の委員長にはメロディ・バーンズ氏を起用するとした。

2.シティ・グループ救済が報じられ、金融株に安心買いが幅広く入っている。
FRBと米財務省、米連邦預金保険公社(FDIC)は23日、シティグループが抱える不良資産3060億ドル(約30兆円)を保証する救済策を発表。損失が一定額を超えた分を政府が肩代わりする。同時に200億ドル(約1.9兆円)の公的資金も注入する。保証対象の資産は、値下がりの激しい住宅ローンや商業用不動産ローンを裏付けとする証券化商品など。保証や資本注入の財源には金融安定化法で定めた計7000億ドルの公的資金をあてる。これで大手金融機関破綻懸念が緩和された。

3.追加景気対策が好感された。
オバマ次期米大統領と民主党が、追加的な景気対策の規模を最大7000億ドル(約67兆円)とする方向で検討に入ったと、24日付ワシントン・ポスト紙が報じた。 大恐慌時のニューディール政策以来の大規模な財政出動。 オバマ氏は、大統領選で1750億ドル規模の景気対策を訴えてきたが、景気の一層の悪化を受けて、大幅に積み増すことになる。

4.FRBは25日、信用凍結の緩和に向け、最大8000億ドル(約76兆9000億円)規模に上る2つの措置を発表した。これが信用凍結緩和に貢献すると好感された。

@FRBは政府支援機関(GSE)が発行もしくは裏付けている債券を最大6000億ドル購入する。
A消費者および中小企業融資を支援するため、最大2000億ドル規模の新たな制度を設立する。

5.世界の主要経済ブロックが景気浮揚で足並みが揃ってきた。

@中国が景気浮揚に向け、過去11年で最大幅の利下げを実施したため、需要増加期待から原油、銅などに買い物が入るとともに、素材株が全般しっかりだった。
A欧州連合(EU)の執行機関、欧州委員会は26日、総額2000億ユーロ(約25兆円)規模の景気対策を発表した。来月11〜12日のEU首脳会議で承認される見通し。来月11〜12日のEU首脳会議で承認される見通し。財源は加盟国政府が分担する。中小企業への低利融資拡大、失業者の就業支援、製造業の研究開発助成などが柱となる。欧州単一通貨ユーロ圏では、財政赤字をGDPの3%以内に抑えることが各国に義務付けられているが、欧州委員会は、2009年から2年間に限って上限超過を容認する方針を示したまた、域内の個人消費促進策として、付加価値税の減税を検討するよう加盟国に勧告した。今回の景気対策の規模はEU全体のGDPの約1.5%にあたる。

6.自動車業界救済への期待が高まった。
ゼネラル・モーターズ(GM)
ゼネラル・モーターズ株が大幅高。同社の無担保社債を保有するフランクリン・リソーシズとPIMCOアドバイザーズに、最大で額面の3分の1への債務減額を求める可能性があると言う。米政府からの支援を得るために、債務再編で負債を圧縮する必要があるため。これが成功すれば、再建計画への評価が高まり、政府からの救済を仰げる可能性が高まるとの見方が背景。

ペロシ米下院議長とリード民主党院内総務は250億ドル規模の自動車業界救済の条件として、12月2日までに再建計画を提出するよう各社に求めた。議会は早ければ8日にも救済案について採決する公算だ。

7.ヘッジファンド解約による大口売りが減少。
12月決算のヘッジファンド解約に伴う45日ルール(決算期末の45日前までに解約請求する)の最終日が11月中旬に通過したこともあり、海外勢の大口売りが減少した。

ファンドの動きとしては、解約に応じるための換金売りが一巡、運用成績の悪化による解約の一時停止、といった状況にあり、短期的には、10月のような大口の売りが殺到する事態は収拾しつつあるように見える。スイスのヘッジファンド、ゴテックス・ファンド・マネジメント・ホールディングスは、全運用資産のおよそ65%に相当するファンドについて解約を一時停止したと発表している。

ヘッジファンドの大口解約が相次ぐ場合は、グローバル運用の立場上、米、欧、日と言った流動性の高い市場に換金売りが集中する結果、同時株安現象をもたらす。しかし、最近は、日本が高く、欧米が安いと言うような不揃い現象も見られるようになった。これは、大口換金売りが収まってきたことを示すものである。
 
8.金融危機打開のための処方箋が提示され始めた。
金融危機を沈静化させるための具体的な処方箋が出始めている。これによって金融システムの問題点が浮き彫りになるとともに、病巣の実態が明らかになり、市場に蔓延していた不安感が緩和されつつある。

バロンズ紙をはじめ、各方面からの提案をまとめると、おおよそ以下のようになる。

@米国経済は目下リセッションに陥っている。市や州の財政の窮状も甚だしい。公共投資を含む景気対策(3000億ドル以上の規模)を早急に実施する。消費者の信頼感を回復させるとともに、金融システム強化にも役立つ。
A住宅差し押さえ回避のために、銀行と住宅ローン借り手との間に交渉の場を設ける。政府が介入し、遅延案件につき、返済意志のある住宅ローン借り手に対する融資条件緩和を図る。
BGM、フォード、クライスラーの救済。救済に際しては、経営陣はもとより、労働者、株主、サーベラス(クライスラー、GMACを所有しているプライベート・エクイティ会社)から大幅な譲歩を引き出すことが必要。また、燃料効率の高い車や、代替燃料車製造を約束させれば、環境浄化、原油依存度低下にもなり、一挙両得。連邦破産法を申請しても、再生途上でつなぎ融資を受けられず(信用収縮で貸し手不在状態)、清算することになってしまうだろう。そうなると、何百万人もの失業者を出すことになり、経済への打撃は更に大きくなる。
C風説の流布、相場操縦などの監視を厳格化するとともに、空売り情報をもっと頻繁に公表する。受渡し未了取引データや、空売り残の公表も、もっと頻繁にさせる。
DCDS(クレジット・デフォルト・スワップ=貸付債権の信用リスクを保証してもらうオプション取引)市場の整備。CDSの中央清算機関の設立や、CDS市場の透明性向上を図る。受け渡し価格のリアルタイムの報告や、投資家の持ち高状況や担保が十分かどうか確認できるようにする。
E保護主義の排除
保護主義は、近隣窮乏化をもたらす。また、低賃金で生産性の高い外国製品の輸入を阻害することにより、国内産業の非効率性を温存し、ひいては、国民が、割高な製品の購入を余儀なくされるし、競争力低下から、国内産業が脆弱化する。


私見
当面の試練は、自動車業界の救済が実現するか否かである。特に、自動車産業支援に関し、再生への道筋がないまま資金支援をするのは問題が多いとし、共和党が金融安定化法を活用した支援に慎重な姿勢を示しているためである。ビッグ3は、12月はじめに再生計画提示を求められている。その意味では、債務減額で、大口社債保有投資家と交渉するのは有効であろう。債務軽減が実現すれば、議会に救済要請をするのに説得力が増す。

さて、オバマ新政権の閣僚メンバー発表を行っている。これまでのところ、強力な新陣営が誕生しつつあり、市場への力強いメッセージになっている。

次は、追加景気対策であろう。金融サミットで、15日採択された宣言には、直ちに取るべき措置として合意した項目に、適宜迅速な効果を上げるための内需刺激に向けた財政政策が挙がっていたが、これも早急に必要な措置である。既に7000億ドル規模の財政出動の検討に入ったもようだが、1月20日大統領就任式まで政治的空白期間を作らないスピードが大切だ。   
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2008年10月24日

直近米国株乱高下の背景 10/23

直近米国株乱高下の背景

10月23日

森  崇


11月4日の大統領選挙が終了しない限り、金融危機に向けた大きな動きは期待できない。この間隙を縫って、ヘッジファンドが果敢な売りを仕掛けている。

この結果として、出来高が少ない中、やたらとボラティリティーが大きい。今日など典型的なトレーダー相場だったと言っていいだろう。ダウ指数が8,250ドルを下抜けないと見るや、怒涛のよう空売りの買戻しが入り、引けにかけ相場は急反発に転じた。

ヘッジファンドも多くは破たんの危機に瀕しているが、中には、空売りで最後の危険な賭けに出るファンドもかなりあると聞く。

しかし、一方で空売りが入る環境が確かに醸成されている。以下の通りである。

1.新興市場にほつれが生じている。世界的な景気減速で新興市場国の輸出需要が損なわれるとの懸念が背景。

新興市場国の国債のスプレッド(米国債との利回り格差)は23日、6年ぶり高水準に達している。アイスランドやパキスタン、ハンガリー、ウクライナ、ベラルーシが、国際通貨基金(IMF)の緊急融資を申請している。通貨も下落中だ。23日の外国為替市場では、メキシコ・ペソが対ドルで最安値を記録した。ペソは過去5営業日連続で下落している。

アルゼンチンでも、フェルナンデス大統領が発表した民間年金基金の国有化計画を受け、債務のデフォルトへの懸念が強まっている。300 億ドル規模の民間年金基金を国有化する法案を議会に提出する方針を明らかにした。950 億ドル相当の国債がデフォルトとなった2001 年以降、アルゼンチンの国際債券市場からの資金調達は途絶えたままだ。今回の金融危機局面で、政府がなりふり構わぬ態勢に入り、遂に民間の年金基金に手をつけることになったとの見方も強い。

2.ヘッジファンドに破たん懸念が高まっている。
@ヌリエル・ルービニ・ニューヨーク大学教授(経済学)は23日、以下の通り発言した。
★金融危機が投資家の一斉売りを引き起こし数百本のヘッジファンドが破たん、当局は1週間以上にわたり金融市場を閉鎖しなければならなくなる恐れもある。

Aヘッジファンド会社GLGパートナーズの共同CEO、エマニュエル・ロマン氏もルービニ教授と同じ会議で、以下の通り発言している。
★ヘッジファンドの最大30%が閉鎖に追い込まれるだろう。適者生存という法則に従った形で、多くのヘッジファンドが姿を消すだろう。ヘッジファンド業界の年初来の成績は20年で最悪となっている。9月は10年で最悪だった。

3.米国では比較的健全な銀行に過剰な資本注入が実施されそう。そうなると問題を有した中小の金融機関に破綻の可能性が高まる。ポールソン財務長官も金融安定化法は、全ての金融機関救済の為に存在しているのではないと言明している。

4.金融危機に瀕して、米国が具体的かつ大規模な救済策を打ち出している反面、ヨーロッパのスタンスは、英国を除いて見劣りがする。ユーロの対ドル下落が際立っている背景でもある。従って、これからヨーロッパが相場の足を引っ張る可能性がある。


結論
目下米国では決算発表がたけなわだが、主要企業の業績内容を見る限り、予想を上回るものが多い。ただし、好決算で買われる銘柄も、2日ともたないのが最近の状況である。これは、上記のような要因を背景にした売り圧力が存在することを示している。大統領選まではまだ不安定な動きが続きそうだ。  
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2008年10月10日

ポールソン発言で明らかになった財務省のスタンス

ポールソン発言で明らかになった財務省のスタンス

10 月9 日

森 崇


財務省は、数週間後には本格的な買い取りを始める見通しだが、ここにポールソン長官発言で明らかになったポイントを列挙してみる。

★金融機関の資本注入は可能だが、全金融機関を救済できない。いくつかの金融機関は失敗するだろうが、安定化法はすべての金融機関を救済するためのものではない。対象金融機関は健全、非健全双方である。
★機動的に資本を強化できる枠組みができた。
★実施には議会への書面による報告が必要だが、議会からは幅広く、柔軟な権限を得た。
★財務省が銀行などから買い取ることができる資産は、住宅ローンや関連証券、および財務長官が連邦準備制度理事会議長と相談し、金融市場の安定を促進するために必要だと判断した金融手段と定義されており、幅広い金融商品が対象。資本注入に使える優先株など株式も対象に入っている。


(日本で公的資金の資本注入をした際の手法)
日本で1999 年3 月に公的資金の資本注入をしたとき、金融監督庁と日銀の共同で大手銀行の集中検査・考査をして、財務の状況を確認した上で、必要な規模の金額を注入。財務を把握した上での規模なので、納得感があった。

(今回の米国財務省のスタンスに対する問題点)
緊急時には個別の金融機関の株式を買い上げる資本注入を実施する構えと見られるが、救済対象金融機関の選択基準、時期、投入資金規模が不透明。


=以上=
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2008年10月08日

当面予想される金融危機対処法 10/7

当面予想される金融危機対処法

10 月7 日

森 崇


本日の米株下落の主な背景は、信用危機が深刻化する中、特に、不動産投資信託(REIT)が資金不足に陥っているとの観測から売りが集中したことだ。とりわけ、ゼネラル・グロース・プロパティーズ(GGP)が悪役となった。

同社は、シカゴ本拠で、ショッピング・モールを経営しているが、今年年末までに到来する12 億ドルの債務借り換えが出来ないかもしれないとの懸念から42%下落した。

リーマン・ブラザーズ破たん後、これまでどうにかもっていた社債市場が機能不全に陥り、企業の資金調達が支障をきたしていた。CP と言う手段もあるが、CP を発行できる企業は格付けの高い企業が多く、この市場でさえ、FRB が支えなければ、機能しなくなっていたのだから、社債市場の閉塞状況は、察するに余りあるものがある。

本日のゼネラル・グロース・プロパティーズの株価急落は、信用収縮の度合いが更に進んでいることを示している。

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また、不動産投資信託の金融不安は、ここからの受注で食っていた住宅建設会社の売上金回収不能懸念を呼ぶ。以下が住宅建設大手レナー株の6 ヶ月間チャートである。正に、連鎖破たんを懸念した動きである。

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さて、当面の、金融危機への対処法は何だろうか。まず、銀行の信用創造機能回復を図り、信用収縮に歯止めをかける必要がある。

危機の連鎖によって引き起こされている信用収縮を食い止めるには、銀行などの金融機関に公的資金を注入し、自己資本を増強することだ。これは日本の例を見れば明らかであり、金融機関への公的資金注入が始まって株価は落ち着いた。

その意味で、今回米国で成立した金融安定化法を使い、金融機関の優先株を買うことで資本注入する方法があげられる。これは即効性がある。

また、緊急大幅利下げも考えられよう。原油はじめ商品価格が下落しているため、インフレ圧力は低減しており、以前より利下げしやすい環境になっている。FFレート先物市場は、10 月FOMC 時での0.5%利下げをほぼ100%織り込んでいる。FFレート大幅引き下げにより、プライム・レートが下がり、これに連動するホーム・エクイティ・ローンをはじめとする各種金利も下方誘導される。


金融機関の破たんは欧州でも拡大し、銀行の国有化、救済合併、預金の全額保護などの措置が相次いでいる。ただし、英仏独伊の4ヶ国は緊急首脳会談を開いたものの、銀行の救済基金については合意できなかった。

欧州は共通通貨のユーロを導入し、金融面での統合が行われた。しかし、財政は別で、各国が独自に対策をとる仕組みになっている。ここに不信感が高まっているのだ。

週末には先進7ヶ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)があるが、これまでに無いほど重要性が増している。


=以上=
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2008年10月07日

金融危機への対策について 10/6

金融危機への対策について

10月6日

森  崇


(今日の株安震源地は欧州)
欧州の金融市場が大混乱に陥っているのは、英仏独伊の4ヶ国首脳が4日に開いた会議で銀行救済基金など抜本策を打ち出せなかったためだ。

4ヶ国首脳による緊急会議では、単一通貨ユーロに加盟する国に、財政赤字を国内総生産の3%以内に収めるよう義務付けた安定成長協定を一時棚上げにするなど、一定の成果を上げた。しかし、銀行救済基金構想は、過大な負担を避けたいドイツなどの反対によりまとまらず、市場の失望を誘った。

しかし、5日夜、事態が急転した。総資産約60兆円近いドイツ不動産金融大手ハイポ・リアル・エステートが資金繰り悪化で破たんしかねない事態に陥った。アイルランドやギリシャなどが導入した預金保護に批判を強めていたドイツ政府は、一転して個人預金の全額保護に踏み切った。


(金融システム安定化基金創設構想再浮上)
そして急きょ欧州共通の金融システム安定化基金を創設する構想が再浮上。金融危機が欧州でも拡大しつつある状況を受け、実現への機運が生まれてきた。ベルルスコーニ伊首相は5日、イタリア政府として、欧州の金融システム安定化のために欧州横断型の基金創設を週内に提案すると表明した。ドイツやフランスも同意しているもよう。


(米国では金融安定化法成立を受けた金融危機対策に着手)
米政府は6日、金融危機対策のための緊急経済安定化法成立を受け、不良資産買い取り業務を受託する金融機関の選定など具体的な手続きに着手した。金融危機が深刻化しているため作業を急ぐが、ブッシュ大統領は対策の効果が表れるまで時間を要するとの認識を示した。


(具体的動き)
@同法の柱となる不良資産買い取りの資金を調達するため、財務省が3年物国債を来月から増発する。一方、米連邦準備理事会(FRB)は市場への資金供給を9000億ドル(90兆円)にまで拡大する。
A買い取り業務などを行う“金融安定局”を財務省に設置し、暫定的な担当次官補に証券大手ゴールドマン・サックス出身のカシュカリ次官補(国際経済開発担当)を指名。
B業者選定の暫定的な指針も発表して公募を開始。債券投信大手ピムコや、ブラックロックに参加観測が出ている。
C焦点は、不良債権の評価と、入札方法である。
D実際に不良債権買い取り開始までには、2週間はかかるとの見方が強い。


(当面の見通し)
とりあえず、損失計上に関わる会計上の規制を一時棚上げするなど、緩和措置が実施されよう。また、日本の1990年代後半の金融危機の教訓から、問題金融機関への公的資金注入が危機沈静化の“切り札”になるとの見方が強い。ただし、追加景気対策は大統領選後になりそう。


(重要性を増す今回のG7)
先進7ヶ国財務相・中央銀行総裁会議が10日にもワシントンで開かれる。

今回は、新興国も含め世界経済は同時減速の様相を呈しており、G7では景気を下支えする金融政策や財政政策でも協調する姿勢を取ろう。しかし、欧米では利下げ観測が急速に高まっているものの、日本では、足元で景気が大きく崩れているわけではなく、もともと、低金利が続き、緩和的な金融環境が維持されているとして、仮に欧米が利下げに踏み切ったとしても日銀は追随できないとの見方が強い。

今回のG7会合は、極めて重い意味を持つ。新興国とも連携を強め、中身のある具体策を打ち出せるかどうかが問われる。



=以上=
posted by mori at 14:41| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

信用危機、欧州に飛び火、負の連鎖が世界を循環 10/6

信用危機、欧州に飛び火、負の連鎖が世界を循環

10月6日

森  崇


米政府・議会で金融安定化法に時間を費やして審議している間に、欧州の銀行間資金取引の金利は急伸し、システミックリスク(金融機関の連鎖破たんの危険)が高まっている。

また、米下院による金融安定化法案否決を機に、ヘッジファンド解約が記録的規模に達した。年末までに1000億ドルの解約を予想する調査会社もある。ヘッジファンドの規模は現在1.6兆ドル(ピークには2.2兆ドルあった)である。

リーマン・ブラザーズ破たんにより、機能しにくくなっていた社債やCP(コマーシャル・ペーパー)市場の閉塞感が更に高まった。


こんな状況下、6日、以下のような出来事が起きた。
1.仏銀BNPパリバは、ベルギー・オランダ系金融サービス大手、フォルティスのベルギーとルクセンブルク部門の経営権を145億ユーロ(約2兆400億円)で取得すると発表した。

2.ドイツの政府と金融業界は商業用不動産金融大手のヒポ・レアルエステート・ホールディングの500億ユーロ規模救済策をまとめた。また、国内銀行の預金を全額保護すると発表。


英独仏伊の欧州主要4ヶ国の首脳会議は4日夜、ドイツの反対などで、欧州全体で即効性のある協調策は打ち出せないまま閉幕。今後も各国が独自の判断で対応する方針を確認したにすぎず、欧州全体の統一的な制度は示せなかった。フランスが検討していた3000 億ユーロ(約44 兆円)にのぼる金融安定化の基金創設構想も頓挫した。

救済が相次ぐなか銀行間の貸し渋りが悪化する中、 欧州各国政府が個別に対応しており、不安感が高まっている。これはシステミックな危機であり、欧州金融機関全体への対応が必要だ。基金創設し、域内銀行の資本増強、金融安定化を狙った措置が必要であろう。

欧州諸国の危機対応も足並みがそろわず、欧州で深まった信用不安が世界中に伝播する悪循環に陥っている。欧州不安は、ユーロ安と原油をはじめとする商品安を招いているが、特に資源国の株は暴落している。

米金融安定化法は成立したが、不良債権買取に必要な準備作業に数週間かかるとの見方が強い。もともと金融機関の資本不足、資金再循環に即効性があるわけでなく、そうこうしているうちに、実体経済悪が浮き彫りになってきたと言うのが最近の状況だ。米国内では、実体経済に即効性のある追加策を求める声が上っている。早晩追加景気対策が取られるのではないか。

ワシントンで10日に先進7ヶ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)が開かれる。ここでどこまで解決策を示せるかだ。とりあえず米国先導の利下げが実現可能性の高いところか。明日7日(火)にバーナンキFRB議長による講演が予定されている。

株式市場は、パニック的売りに晒されており、本日ザラ場で、ダウ指数は10,000ドルを大きく割った。ただし、引けにかけ急速に戻しに転じている。米国の金融安定化に向けた対策が着手された。大手金融機関の帰趨も見た。不安心理も極度に高まっているが、無いものねだりは相場の常だ。相場の自律反発は近い。


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2008年09月30日

金融安定化法案の行方(否決による市場の反応)

金融安定化法案の行方(否決による市場の反応)

9月29日

森  崇


米下院が29日、金融安定化法案を賛成205票、反対228票で否決した。政府が金融機関から7000億ドルの不良資産を買い取ることなどが柱だった。同法案は、資産を買い取る権限をポールソン財務長官に付与するもので、バーナンキFRB議長は、法案が否決されるようなことになれば金融システムに深刻な脅威がおよぶと警告していた。

もともと、この金融安定化法案は、法案化に向けた協議の中で、民主党が修正を求めたほか、共和党の下院が対案を提出するなど難航を続けた経緯がある。28日未明、法案取りまとめで最終合意に達しており、可決は楽観視されていた。しかし、共和党議員の多数が反対に回った。11月4日には、大統領選と上下両院選挙が実施されることから、有権者の反発に配慮して造反したものだろう。民主党でも造反組が相当数出ており、両党幹部の制御が効かないと言うリスクを露呈する結果となった。

株式相場は当面続落が予想される。ダウ指数10,000ドル割れもあるのではないか。ただし、10月28日〜29日の米連邦公開市場委員会(FOMC)を待たずしてFRBが緊急利下げを実施する可能性が出てきた。FFレート先物は、10月FOMC時での0.5%利下げを70%以上織り込んでいる。

法案の行方については、何らかの落しどころを見出し、近日中に可決されると見る。米下院のステニー・ホイヤー民主党院内総務(メリーランド州)は29日、以下の通り発言している。

「上院は早ければ10月2日に新たな救済法案を審議する可能性がある。上院は恐らく何らかの法案を可決する。その上で法案を下院に差し戻すだろう。これを我々は審議することになろう」

下院は明日からユダヤの休日(30日と1日の2日間)で休会する為、10月2日に再開する。従って、再採決は10月2日以降か。民主党は大半が賛成に回っている反面、共和党では、賛成派の2倍が反対に回っている。従って、共和党反対派の賛成への取り込みが鍵となろう。

ただし、改正金融安定化法は、有権者の反対をより配慮したものになることが予想され、金融機関が利用しにくいものになるだろう。その意味では、実効性に疑問が出るが、対策は次のステップに譲ることとし、とりあえず、市場は急反発で歓迎しよう。


=以上=
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2008年09月22日

今後紆余曲折はあるが、相場は大底を打った

今後紆余曲折はあるが、相場は大底を打った

9月21日

森  崇


米政府が総合的な金融安定化対策を打ち出し始めた。株価急落と言う市場に促される形で、場当たり的個別救済策を取っていたが、ついに、金融・資本市場の再生、健全化を目指した包括策に軸足を移し始めた。待ち望まれていたところである。

今週号のバロンズ紙には、リーマン破綻、AIG実質国有化、メリルのスピード救済買収の前にこの動きが出ていたら、これほど市場は混乱しなかっただろうとのコメントが掲載されていたが、それは違う。

リーマンが実際破たんし、AIG、メリルと、連鎖破綻の可能性が高まったから、政府が重い腰を上げたのだ。破たんしたリーマンの資産規模は下図の通りである。2000年台初頭のITバブル崩壊時に破たんしたワールドコム、エンロンなど足元にも及ばない。ましてや、経済活動の血脈とも言える金融業界からの破たんであってみれば、悪影響はさらに甚大なものになる。

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伝え聞くところでは、ブッシュ大統領は、公的資金投入に消極的だったと言う。もともと、共和等は、小さな政府を標榜し、民間活力を生かした経済運営を旨としている。ここに、ポールソン財務長官が、「このまま放置しておいたら、1930年のフーバー大統領の失態の二の舞になる」と、強く政府の介入を迫ったと言う。

リーマンが破たんし、ドミノ倒しのように他の金融機関株が暴落、国民の財布であるマネー・マーケット・ファンドまでが元本割れし、取り付け騒ぎが全米レベルで広がっているのを目の当たりにし、ブッシュ大統領はついに公的資金投入を決意したと言う。このような事態にならないと政府は動かない(実際、血税を使っての救済に、国民の同意も得られないだろう)。しかし、いざ動き出したら徹底している。

また、FRBはじめ、世界の主要中銀が、金融市場安定化を目指し、協調行動をとり始めた。さらに、主要各国がPKOで足並みを揃え始めた。以下が主な動きである。
  
@中国国営の新華社通信は18日、同国の政府系ファンド(SWF)、中国投資公司(CIC)が複数の国営銀行の株式を取得する意向だと報じた。市場の安定化策。また、株式購入に際しての印紙税を撤廃する計画も表明。また、中銀は利下げに踏み切った。

Aロシアのメドベージェフ大統領は18日、公的資金による5000億ルーブル(約2兆500億円)規模の株式買い支え策を柱とする緊急市場安定化策を発表。ロシアが大規模な市場刺激策を決めたのは1998年の経済危機以来。また、金融機関の流動性不足を解消するため銀行全体への貸出枠を現行の約4500億ルーブルから1兆5140億ルーブルに引き上げることを決定。10月1日からは石油輸出税を引き下げる。

B英国金融当局は、金融株の空売りを来年の1月16日まで禁止すると発表。また、当該会社発行済み総株式数の0.25%以上保有投資家は、これの公表を義務付ける。ただし、この時限立法は、30日後に見直すと言う。市場安定化策である。


今回の金融危機を日本と比較してみよう。
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日本で7年かかったプロセスを7ヶ月間でやっている。従って、相場の下落率も低くなっているのだ。

さて、これから注目されるのは、金融機関からの不良債権の買い取り構想の中身である。ブッシュ政権は、26日までに必要な法案の可決を求めている。議会が休会に入るためである。構想は、米政府が2年間にわたり、最大7000億ドルの不良債権を買い取るというものであるであるが、対象金融機関の範囲はどうか(当初案では、米国内にあっても、海外金融機関は対象外とされていたが、米国でかなりの事業を展開しているケースとし、海外金融機関も対象内にされる可能性が高まった)、買い取り価格はどうなるか(血税を使うことから、最も安い売却価格を提案した金融機関の債権を買い取る“逆入札”方針が検討されている)などに焦点が移ろう。特に、不良資産の買い取り価格が低すぎると、不良債権を換金化し、バランス・シートから外せたにしても、金融機関の資本不足を招く恐れがあり、公的資金注入の可否が論ぜられることになろう。

まだまだ先には紆余曲折があろう。問題の源流にある不動産デフレ解消も収束まで程遠い状態だ。しかし、今回の措置により、パニック的売りが収まり、金融市場の混乱が沈静化しつつあることは紛れも無い事実である。何よりも、米国政府が遂に思い腰を上げたのだ。危急存亡時の団結力は素晴らしい。超党派での徹底した対応策が出てくるだろう。期待したい。



=以上=
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2008年09月16日

ハリケーン“アイク(Ike)”での爪あと

ハリケーン“アイク(Ike)”での爪あと


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2008年09月08日

ハリケーン“ハンナ”のハイチ(ポルト・プランス)での爪あと

ハリケーン“ハンナ”のハイチ(ポルト・プランス)での爪あと


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住宅問題

住宅問題


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2008年09月02日

ハリケーン「グスタフ」 ―ニューオーリンズでの爪あと―

ハリケーン「グスタフ」 ―ニューオーリンズでの爪あと―


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