2008年01月11日

今日、米国株は一応反発した。しかし、まずい雰囲気だ。

独白

1月10日

森  崇

今日、米国株は一応反発した。しかし、まずい雰囲気だ。不良債権が住宅ローンだけでなく、カードローンや、自動車ローンにも波及し始めたのだ。政府の対応策は未だ不十分だし、利下げだけでは対応できないからだ。

本日の金融株をめぐる悪材料

クレジットカード
キャピタル・ワン・ファイナンシャル (COF) 
クレジットカード大手が業績への警告。2007年通期ベース利益が従来見通しを約20%下回ると言う。同社は自動車ローンの組成も行っており、住宅ローン問題が他の種類のローンにも波及してきていることを示している。

(背景)
★景気減速と、ローン支払いの延滞で不良債権が増大。

  
     
アメックス(AXP)、マスターカード(MA)株も安い。

金融
シティグループ(C)・メリル・リンチ(MER)
海外政府系ファンドより再度の資本注入を受ける交渉をしているとWSJが報じた。来週の決算発表前に契約を結びたい意向。メリルリンチは中東政府系投資ファンドから30〜40億ドルを、シティは外国政府から最大で100億ドルを調達する可能性があるという。

  

両社の他、モルガン・スタンレー(MS)とUBS(UBS)の4社は既に総額で270億ドルの出資を外国政府から受けており、今回の追加資本注入は、両社が財務基盤を安定させるために早急に資本増強をしようとしていることの表れ。


フレディー・マック(FRE)
ムーディーズ・インベスターズ・サービスは、米住宅抵当金融大手フレディマック(連邦住宅貸付抵当公社)の銀行財務格付け「A−」を引き下げ方向で見直すと発表した。フレディマックの損失が当初見通しより拡大する恐れがあるためという。


モルガンスタンレー(MS)やメリルリンチ(MER)
ゴールドマンサックスは米大手投資銀行各社の目標株価を引き下げた。景気減速が利益成長を抑制し、また、信用市場の更なる悪化でCDOなどのハイリスク資産で評価損を計上する可能性があると指摘した。

ノーザンロック
英政府は中堅銀行ノーザンロックの売却先に、政府系投資ファンドも対象にする余地があるとの考えを表明した。これも、英国内金融機関の体力弱体化を示している。

MBIA(MBI)
米金融保証会社大手のMBIAに悪材料。ヘッジファンド、パージング・スクウェア・キャピタル・マネージメントのアックマン氏がネガティブ・コメント。
MBIAは100億ドルの資金調達が必要になるだろう。このままだと、年末までに資金不足に陥る可能性があると言う。

アメックス(AXP)
引け後、アメックス(AXP)が業績への警告。第1四半期一株当たり利益は、継続ベースで90セント未満の見通しを提示、また、第4四半期決算で4.4億ドルの費用を計上したと発表。引け後のOTC取引で本日の引け値比3ドル以上下落している(NY時間午後5時現在)。

  

今回のシティ・グループ、メリル・リンチによる追加資本注入の動きは、両社が財務基盤を安定させるために早急に資本増強をしようとしていることの表れ。来週の決算発表では住宅ローン関連投資の損失拡大により、両社の損失は合わせて最大で250億ドルに達すると見られており、決算前に資本増強の話をまとめたい考えだろう。それほど業績悪化が予想され、株価急落の予防措置とも考えられる。

相場展望
銀行、証券会社の多くが、未だ資本増強への対応を練っているし、米住宅金融のファニーメイ(米連邦住宅抵当金庫)やフレディマック(連邦住宅貸付抵当公社)も損失額が更に増大する見通しである。各社とも、米国内の金融機関が痛んでいる為、外国の政府系ファンド(SWF)等に頼らざるを得ない状況。

今後住宅ローン大手に破綻するところが出てくるだろう。カントリーワイド買収の話は、バンカメのバランス・シートを悪化させるだけだ。一方で、住宅金融大手のソーンバーグ・モーゲージ(TMA)が増資による資金調達(2億ドル規模)計画を発表し、株価は急落している。


(ソーンバーグの株価チャート)
chart_20080111.jpg


破綻がきっかけになり、政府も重い腰を上げるだろう。現在は、金融機関の損失額が未だ確定できない状況であるが、損失額が確定できた段階で、公的資金注入もありえよう。落しどころとしては、利下げ、税制・財政政策併用に、公的資金による資本注入だろう。今日のキャピタル・ワン・ファイナンシャルの業績への警告は、住宅ローン問題が、自動車やクレジットカード等、他のローンに波及してきていることを示している。また、本日引け後、同じクレジットカード大手アメックスも業績への警告を発した。カードローンの延滞増加に伴う引当金の計上などで、昨年10―12月期決算で4億4000万ドルの損失を出したと言う。住宅価格が下がった地域を中心に、家計の返済能力が低下した為らしい。

株はまだ下がる。金融株や小売り、ハイテク株を買ってはならない。

株式相場は、年の前半不振、後半反発と見る。ただし、3月までに底をつけるのではないか。

当面、物色先は、穀物関連(MON、POT、ADM、DE)原油掘削(RIG等)、電力株(PEG、FPL、FE等、有利子負債が多いので、利下げは業績に効果あり。また高配当が魅力)、飲料(BUD、KO、PEP)、ゲノム関連(HGSI、CRA、ABI等)、薬品(TEVA、GENZ、GILD)に向かおう。


=以上=
posted by mori at 12:35| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。