2009年02月11日

本日の米国株相場について 2/10

本日の米国株相場について

2月10日

森  崇


株急落の背景
ガイトナー財務長官が10日、金融安定化策を発表。ただし、以下のような評価がされた。これを受け、特に銀行株が急落。

★官民共同のファンド設定に関して、さまざまな仕組みを模索しており、市場関係者や国民から意見を得るつもりだ。この計画は最大1兆ドルを供与できるが、まずは5000億ドルから始め、状況に応じて拡大していくとしているが、具体性、透明性が欠けている。これで金融危機が救えるかとの疑義が生じた。

★新規融資を促進し、不良債権に取り組むためのプログラムに政府が最大2兆ドル(約180兆円)を拠出する方針を表明したが、そこまで金融システムが悪化しているのかとの認識が広がるとともに、懸念が増大した。

★何よりも、銀行のバランスシートから不良債権が削除されるバッドバンク設立が断念されたことから、このままシティ・グループやバンカメのように政府保証が増大する結果、国有化につながるとの懸念が高まった。これを受け、シティ(C)、バンカメ(BAC)株ともに20%を超す下げを演じており、他の銀行に比べ下落率が大きい。

★ノーベル経済学賞受賞者のジョゼフ・スティグリッツコロンビア大学教授は、米金融安定化策が成功する可能性は極めて低いとの見方を述べた。また@同対策が住宅差し押さえの増加を食い止められていないほか、金融機関の不良資産は誰が最終的な責任を持つのかが明確になっていない。A未払いの住宅ローン返済をめぐり条件などを再交渉する際に、金融機関は適切なインセンティブを受けていない。また政府はローン提供においてリスクを取り過ぎていると指摘している。


債券相場は急伸
市場参加者の間で米金融安定化策は内容不十分との観測が広がり、安全投資から国債に買いが入った。株急落で、質への逃避的買いも入った。


金価格が急騰
ニューヨーク金先物相場は大幅反発。米 政府の金融安定化策と景気対策がインフレ高進を引き起こすとの思惑から、ヘッジ需要の買いが入り、この1週間で最大の値上がりとなった。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物相場4月限は、前日比21.40ドル(2.4%)高の1オンス=914.20ドルで終了した。中心限月としては1月30日以来で最大の値上がりだった。


私見
アメリカン・エンタープライズ・インスチチュート・シンクタンクのヴィンセント・ラインハート氏は、グリースパンFRB元議長や、バーナンキ現議長とも仕事した経験を持つが、「今信用市場に必要なのは、ショックと機能回復をもたらす優れたキャンペーンだが、実際もたらされたのは、控えめなものだ」と語っている。
ゼロ金利時の対処法は、兎に角気違いみたいにお札を印刷し、全ての種類の金融商品を買い上げ、価格上昇を狙うことだ。しかし、これまでのところ、FRBは、信用リスクを取ることをためらっている。

元FED副議長で、プリンストン大学経済学部教授であるアラン・ブラインダー氏は、元気付けるサインも出ていると言う。FRBが、もっと証券市場に目を向けるようになってきたからだからだと指摘する。

とりあえず景気対策も上院で可決されており、悪いことばかりではない。今後株式相場は、より具体的かつ効果的な金融安定化にむけた運用を催促するフェーズに移るだろう。

今日で全てが決まったわけではない。逆だ。あまりにも抽象的すぎるのだ。ただし、だからと言って政策失敗を意味するものではない。今後の当局の運用能力を期待したい。


=以上=
posted by mori at 09:14| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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