2008年10月07日

金融危機への対策について 10/6

金融危機への対策について

10月6日

森  崇


(今日の株安震源地は欧州)
欧州の金融市場が大混乱に陥っているのは、英仏独伊の4ヶ国首脳が4日に開いた会議で銀行救済基金など抜本策を打ち出せなかったためだ。

4ヶ国首脳による緊急会議では、単一通貨ユーロに加盟する国に、財政赤字を国内総生産の3%以内に収めるよう義務付けた安定成長協定を一時棚上げにするなど、一定の成果を上げた。しかし、銀行救済基金構想は、過大な負担を避けたいドイツなどの反対によりまとまらず、市場の失望を誘った。

しかし、5日夜、事態が急転した。総資産約60兆円近いドイツ不動産金融大手ハイポ・リアル・エステートが資金繰り悪化で破たんしかねない事態に陥った。アイルランドやギリシャなどが導入した預金保護に批判を強めていたドイツ政府は、一転して個人預金の全額保護に踏み切った。


(金融システム安定化基金創設構想再浮上)
そして急きょ欧州共通の金融システム安定化基金を創設する構想が再浮上。金融危機が欧州でも拡大しつつある状況を受け、実現への機運が生まれてきた。ベルルスコーニ伊首相は5日、イタリア政府として、欧州の金融システム安定化のために欧州横断型の基金創設を週内に提案すると表明した。ドイツやフランスも同意しているもよう。


(米国では金融安定化法成立を受けた金融危機対策に着手)
米政府は6日、金融危機対策のための緊急経済安定化法成立を受け、不良資産買い取り業務を受託する金融機関の選定など具体的な手続きに着手した。金融危機が深刻化しているため作業を急ぐが、ブッシュ大統領は対策の効果が表れるまで時間を要するとの認識を示した。


(具体的動き)
@同法の柱となる不良資産買い取りの資金を調達するため、財務省が3年物国債を来月から増発する。一方、米連邦準備理事会(FRB)は市場への資金供給を9000億ドル(90兆円)にまで拡大する。
A買い取り業務などを行う“金融安定局”を財務省に設置し、暫定的な担当次官補に証券大手ゴールドマン・サックス出身のカシュカリ次官補(国際経済開発担当)を指名。
B業者選定の暫定的な指針も発表して公募を開始。債券投信大手ピムコや、ブラックロックに参加観測が出ている。
C焦点は、不良債権の評価と、入札方法である。
D実際に不良債権買い取り開始までには、2週間はかかるとの見方が強い。


(当面の見通し)
とりあえず、損失計上に関わる会計上の規制を一時棚上げするなど、緩和措置が実施されよう。また、日本の1990年代後半の金融危機の教訓から、問題金融機関への公的資金注入が危機沈静化の“切り札”になるとの見方が強い。ただし、追加景気対策は大統領選後になりそう。


(重要性を増す今回のG7)
先進7ヶ国財務相・中央銀行総裁会議が10日にもワシントンで開かれる。

今回は、新興国も含め世界経済は同時減速の様相を呈しており、G7では景気を下支えする金融政策や財政政策でも協調する姿勢を取ろう。しかし、欧米では利下げ観測が急速に高まっているものの、日本では、足元で景気が大きく崩れているわけではなく、もともと、低金利が続き、緩和的な金融環境が維持されているとして、仮に欧米が利下げに踏み切ったとしても日銀は追随できないとの見方が強い。

今回のG7会合は、極めて重い意味を持つ。新興国とも連携を強め、中身のある具体策を打ち出せるかどうかが問われる。



=以上=
posted by mori at 14:41| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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