2008年10月07日

信用危機、欧州に飛び火、負の連鎖が世界を循環 10/6

信用危機、欧州に飛び火、負の連鎖が世界を循環

10月6日

森  崇


米政府・議会で金融安定化法に時間を費やして審議している間に、欧州の銀行間資金取引の金利は急伸し、システミックリスク(金融機関の連鎖破たんの危険)が高まっている。

また、米下院による金融安定化法案否決を機に、ヘッジファンド解約が記録的規模に達した。年末までに1000億ドルの解約を予想する調査会社もある。ヘッジファンドの規模は現在1.6兆ドル(ピークには2.2兆ドルあった)である。

リーマン・ブラザーズ破たんにより、機能しにくくなっていた社債やCP(コマーシャル・ペーパー)市場の閉塞感が更に高まった。


こんな状況下、6日、以下のような出来事が起きた。
1.仏銀BNPパリバは、ベルギー・オランダ系金融サービス大手、フォルティスのベルギーとルクセンブルク部門の経営権を145億ユーロ(約2兆400億円)で取得すると発表した。

2.ドイツの政府と金融業界は商業用不動産金融大手のヒポ・レアルエステート・ホールディングの500億ユーロ規模救済策をまとめた。また、国内銀行の預金を全額保護すると発表。


英独仏伊の欧州主要4ヶ国の首脳会議は4日夜、ドイツの反対などで、欧州全体で即効性のある協調策は打ち出せないまま閉幕。今後も各国が独自の判断で対応する方針を確認したにすぎず、欧州全体の統一的な制度は示せなかった。フランスが検討していた3000 億ユーロ(約44 兆円)にのぼる金融安定化の基金創設構想も頓挫した。

救済が相次ぐなか銀行間の貸し渋りが悪化する中、 欧州各国政府が個別に対応しており、不安感が高まっている。これはシステミックな危機であり、欧州金融機関全体への対応が必要だ。基金創設し、域内銀行の資本増強、金融安定化を狙った措置が必要であろう。

欧州諸国の危機対応も足並みがそろわず、欧州で深まった信用不安が世界中に伝播する悪循環に陥っている。欧州不安は、ユーロ安と原油をはじめとする商品安を招いているが、特に資源国の株は暴落している。

米金融安定化法は成立したが、不良債権買取に必要な準備作業に数週間かかるとの見方が強い。もともと金融機関の資本不足、資金再循環に即効性があるわけでなく、そうこうしているうちに、実体経済悪が浮き彫りになってきたと言うのが最近の状況だ。米国内では、実体経済に即効性のある追加策を求める声が上っている。早晩追加景気対策が取られるのではないか。

ワシントンで10日に先進7ヶ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)が開かれる。ここでどこまで解決策を示せるかだ。とりあえず米国先導の利下げが実現可能性の高いところか。明日7日(火)にバーナンキFRB議長による講演が予定されている。

株式市場は、パニック的売りに晒されており、本日ザラ場で、ダウ指数は10,000ドルを大きく割った。ただし、引けにかけ急速に戻しに転じている。米国の金融安定化に向けた対策が着手された。大手金融機関の帰趨も見た。不安心理も極度に高まっているが、無いものねだりは相場の常だ。相場の自律反発は近い。


posted by mori at 09:03| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。