2008年09月30日

金融安定化法案の行方(否決による市場の反応)

金融安定化法案の行方(否決による市場の反応)

9月29日

森  崇


米下院が29日、金融安定化法案を賛成205票、反対228票で否決した。政府が金融機関から7000億ドルの不良資産を買い取ることなどが柱だった。同法案は、資産を買い取る権限をポールソン財務長官に付与するもので、バーナンキFRB議長は、法案が否決されるようなことになれば金融システムに深刻な脅威がおよぶと警告していた。

もともと、この金融安定化法案は、法案化に向けた協議の中で、民主党が修正を求めたほか、共和党の下院が対案を提出するなど難航を続けた経緯がある。28日未明、法案取りまとめで最終合意に達しており、可決は楽観視されていた。しかし、共和党議員の多数が反対に回った。11月4日には、大統領選と上下両院選挙が実施されることから、有権者の反発に配慮して造反したものだろう。民主党でも造反組が相当数出ており、両党幹部の制御が効かないと言うリスクを露呈する結果となった。

株式相場は当面続落が予想される。ダウ指数10,000ドル割れもあるのではないか。ただし、10月28日〜29日の米連邦公開市場委員会(FOMC)を待たずしてFRBが緊急利下げを実施する可能性が出てきた。FFレート先物は、10月FOMC時での0.5%利下げを70%以上織り込んでいる。

法案の行方については、何らかの落しどころを見出し、近日中に可決されると見る。米下院のステニー・ホイヤー民主党院内総務(メリーランド州)は29日、以下の通り発言している。

「上院は早ければ10月2日に新たな救済法案を審議する可能性がある。上院は恐らく何らかの法案を可決する。その上で法案を下院に差し戻すだろう。これを我々は審議することになろう」

下院は明日からユダヤの休日(30日と1日の2日間)で休会する為、10月2日に再開する。従って、再採決は10月2日以降か。民主党は大半が賛成に回っている反面、共和党では、賛成派の2倍が反対に回っている。従って、共和党反対派の賛成への取り込みが鍵となろう。

ただし、改正金融安定化法は、有権者の反対をより配慮したものになることが予想され、金融機関が利用しにくいものになるだろう。その意味では、実効性に疑問が出るが、対策は次のステップに譲ることとし、とりあえず、市場は急反発で歓迎しよう。


=以上=
posted by mori at 18:04| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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