2009年01月29日

バッドバンク構想が相場を動かす

バッドバンク構想が相場を動かす

1月28日

森  崇


CNBCは27日、関係筋の話として、オバマ政権が、不良債権を金融機関から買い取るバッドバンク構想を来週発表する可能性があると報じた。

オバマ大統領の経済顧問を務めているローラ・タイソン氏も28日、ダボスの世界経済フォーラムのパネルディスカッションで、「次の自然なステップは極めて単純で、不良資産を切り離すことだ。バランスシートは大きく痛んでおり、異なるルールに基づいて銀行の資本を再編すれば、銀行は再び貸し出しできるようになる」と述べている。

   (バッドバンクの例)
★1984年にコンチネンタル・イリノイ銀行が倒産した際に、バッドバンクを設立してその不良資産を買い取った。
★貯蓄貸付組合(S&L)危機の処理のために1989年に設立された整理信託公社(RTC)も、バッドバンク。
★1991年にスウェーデンでも設立された。

   (TARPは効果が無かった)
ブッシュ政権時に、財務省がバッドバンク機能を有したが、効果が無かった。付け焼刃的に設けられたことや、公的資金注入後のチェック体制が極めてあいまいだったから。


1月26日付WSJ紙は以下の通り報じている。
★米政府が昨年10月に制定したTARPに基づいて支出した公的資金約2000億ドルの大半は、大手銀13行が受け取った。
★最近四半期決算を発表した米銀大手を分析したところ、財務省の金融安定化法に基づく不良資産救済プログラム(TARP)による公的資金の注入を受けた大手銀13行のうち10行で、2008年7-9月期末から10-12月期末の間に融資残高が総額約460億ドル(1.4%)減少した(13行の融資残高の総額は、7-9月期末時点の3兆3600億ドルから10-12月期末時点では3兆3100億ドルに減少)。
★融資残高が減少したのは、450億ドルをそれぞれ受け取ったバンク・オブ・アメリカ(BAC)やシティグループ(C)のほか、より小規模の地銀も含まれる。
★13行のうち融資残高が増加したのは、地銀のUSバンコープ(USB)、サントラスト銀行(STI)、BB&T(BBT)の3行だけだった。

   (現在の構想)
バッドバンクは、米連邦預金保険公社(FDIC)が運営する可能性がある。ベアーFDIC総裁は、FDICは専門的な能力を備え、FDIC保証債の発行で資金面でも救済策に寄与できると主張している。

以下がメリットとして考えられる。
@財務省が運営する場合、原資は国庫であり、資金負担増大はすなわち財政赤字化拡大を意味し、野放図的拡大は、ドル安、金利高を誘発する。しかし、FDICが運営する場合、独自に債券を発行して必要資金を調達できる。政府が保証すれば低金利で調達可能。FDICは専門的な能力を備え、モデル・プライシング・メカニズムを用い不良債権の値付けを行なえる。遂には、利益を出しての不良債権換金化期待も出てくる。従って幅広い投資家から資金を集められる。

A米政府の景気対策については、議会での議論に時間がかかり、効果が出てくるのは年後半になる見通しだが、金融市場の安定化策には即効性が期待できる。

BFDICが買い取った不良債権を換金化する過程で、ゴールドマン・サックスやモルガン・スタンレー等の投資銀行が活躍する場が提供される。本日の2社の株価の反発がこれを示している。

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=以上=
posted by mori at 15:07| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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